がむしゃらに働くだけが、働きマンではない

働きマン「働きマン」は、週刊誌JIDAIの編集部に勤務する28歳の松方弘子と、その周りに居る上司や後輩・作家・恋人・政治家など、様々な年代や職種の人間の働き方を描いた漫画です。

多くの人が、社会人になると『働く』ということを経験すると思います。
しかし一口に『働く』と言っても、その働き方は千差万別です。

仕事が何よりも大切な人、プライベートを優先できる範囲で働く人、思い通りの職種につけなかったけど働かなければならない人、働くことを辞めてしまった人…。

主人公の松方弘子は、『あたしは仕事したなーって思って死にたい』と言う程の、正にタイトルが示す通りの「働きマン」です。

画像出典:働きマン(1) (モーニングKC (999))

スクープを取って記事にして校了して…という一連の仕事を、毎週必死にこなしています。

もちろん毎回順調に事が進むわけではなく、体調を崩しフラフラになりながら出勤したり、なかなかインタビューが取れなかったり、担当作家が原稿の締め切りに間に合わなかったりといったトラブルも起こります。
しかし見事なのは、松方弘子の仕事に対する執念です。

絶対に諦めず、妥協しないといけない所は妥協しつつ自分の仕事に対する信念は貫くという鬼気迫る仕事っぷりは、あっぱれという他ありません。思わず『こんな風に働きたい』と感動を覚える程です。

このような松方弘子の働き方は、ある種の『理想的な働き方』が描かれているように思います。
しかし、漫画「働きマン」の素晴らしい点は、そういった価値観の一方で、『どんな働き方も否定しない』所にあります。

ブラック企業問題

当たり前ですが、世の中にはいろんな性格の人が居て、いろんな得意分野があるからこそ社会は成り立っています。

4巻のあとがきでも、作者の安野モヨコ先生は「ただ、がむしゃらに働くだけが、働きマンではないんだと最近思っています。」と書いています。

これは昨今のブラック企業問題に対して考えさせられる一文です。
日本には効率良く利益を出すことより汗水流し働くことが美化・神聖化される風潮があります。

こちらのサイト(https://www.kesu.jp)にブラック企業問題について紹介されていますが、IT系企業、特にプログラマなどデスマ(デスマーチ)と呼ばれる残業・徹夜・休日出勤などが常態化している勤務状況などを主として「ブラック企業」と言われるようになりました。

一般的に『一生懸命働く』ことが賞賛されがちですが、この漫画にはそうじゃない働き方をしている人もたくさん描かれています。

その中にはとても魅力的な人も居ればそうでない人も居ますが、どこか思わず自分と重ねてしまう働き方をしている人がきっと居ます。

そういったストーリーを読むことで、今の自分に満足している人もいない人も、肯定されたような気持ちになれると思います。

楽しんで働いている人、働き方に悩んでいる人、これから働く人、働くことを少し休んでいる人…どんな人にも共感できる数多くの登場人物達の働き方が、きっとあなたの力になります。